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今期はインバウンドを注視【岡本洋明社長に聞く ジェネレーションパスの現状と今後㊦】 越境は内外価格差の商品が鍵
ジェネレーションパス
今期はインバウンドを注視【岡本洋明社長に聞く ジェネレーションパスの現状と今後㊦】 越境は内外価格差の商品が鍵
2023年03月02日 10:11
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2023年03月02日 10:11
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前号に引き続き、国内外でネット販売事業などを手がけているジェネレーションパスの岡本洋明社長に、今後のEC市場の展望や成長戦略について聞いた。
◇
――2023年のEC市場の展望について。
「正直、分かりづらい面がある。例えば、越境ECやインバウンドなどの需要が(23年1月の)現時点ではそこまで見込めず、分からない状況となっている。もしかするとこのインバウンド需要が大きなうねりになる可能性もあるが、今の段階ではっきりとこれくらいの数字になるとは出しづらい。
例えば海外からの旅行者は航空機で日本に来るが、航空需要が回復しているとはいえ、中国などからの飛行機の便数はコロナ前よりもまだかなり少ない状況。また、仮にインバウンドで大量の観光客が日本に来るようになって実店舗で商品がどんどん売り切れるようになれば、国内の消費者はリアルよりもECで買い物をするようになることも考えられる。
とは言え、国内EC市場という観点で考えると、引き続き安定的な成長が見込める。コロナによって、EC未経験者の利用が増えてきたことは間違いない。ただ、石油価格の上昇で物流費の値上げなどが起きるとそれが大きな足かせになる可能性はある」
――相次ぐ商品値上げによる消費環境への影響は。
「今のところ、消費者側が許容しているような印象を受ける。おそらく、あらゆる商品が値上がりしているので、もうこれに対してはしょうがないという向きも持ってしまっているのでは。日々使うような商品が1000円から1500円に上がると高くなったと感じるが、(当社が得意とするような)家具・インテリアは、あまり毎年買うことがない大型商品なので、1年前と価格を比べたりすることは中々ない。買い替え頻度が低いものは値上げによる買い控えの影響を受けにくいと思う」
――今期の優先順位の高い施策は。
「インバウンド需要に関してのものになるだろう。もちろんこれは越境ECも含めて話となる。中国で日本の風邪薬が大量に購入されているというニュースも聞くが、改めて海外消費者にとって日本の商品はニーズが高いと感じる。これは日本メーカーの商品ということだけではなく、例えば、中国の工場で作って日本で売っているという商品についても、試しに中国で売ってみたところ『日本の規格』を採用しているということで非常に人気となった。つまり、日本の商品は『品質管理』が良いというイメージを海外から持たれているのだ」
――越境EC事業の進捗について。
「22年末から中国の小規模な越境ECモールに出店していて、100~200点ほどの商品を試しに販売している。そこでは1カ月間で8%程度の購買率になったので、悪くはないだろう。今までの越境ECでは、中国の大手越境ECモールを使って販売していたが、手数料が高かったこともあり難しい状況だった。そうした理由から、今は大手のモールではなく小規模のモールに出店している」
――越境ECを行う上での注意点や課題について。
「当社も長年越境ECを行ってきたが、中国と日本のマーケットには大きな違いがあると認識している。中国の場合、売れる商品であればどんどん量を出して販売してほしいという考え方だが、日本では売れるとしてもそこまで極端な出し方はしない。例えば、日本のメーカーはヒットしている商品を製造する時に、おそらく前年の110%~120%程度(の増産)という形で翌年の計画生産を考えるが、中国ではとにかく一気に大量に仕入れようとするので、いきなり前年の3倍の量の商品を出してほしいという考え方になる。
当然ながら、モノづくりについて品質管理をしっかり考えた場合に、製造ラインや人材の確保などの問題からそこまでの大規模な量に対応した商品を急に製造することはできない。そうした感覚が大きな違いになっている。今、当社が中国で出店している仮想モールは小規模なので、仮にそこで急激に売れたとしてもそこまでの大きな影響は受けないと思われる」
――越境ECで売れる日本の商材とは。
「海外向けと日本向けの販売で、価格差が大きいものが売れやすいと言える。先ほどの風邪薬の話も、中国では日本で売られている何倍もの価格で売られている。他にも日本酒などが海外では国内以上の高値で取り引きされている。そういったものは、物流費込みで海外向けに高い価格を設定して販売したとしても日本よりもはるかに売れる商材となるのではないか」(おわり)
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――2023年のEC市場の展望について。
「正直、分かりづらい面がある。例えば、越境ECやインバウンドなどの需要が(23年1月の)現時点ではそこまで見込めず、分からない状況となっている。もしかするとこのインバウンド需要が大きなうねりになる可能性もあるが、今の段階ではっきりとこれくらいの数字になるとは出しづらい。
例えば海外からの旅行者は航空機で日本に来るが、航空需要が回復しているとはいえ、中国などからの飛行機の便数はコロナ前よりもまだかなり少ない状況。また、仮にインバウンドで大量の観光客が日本に来るようになって実店舗で商品がどんどん売り切れるようになれば、国内の消費者はリアルよりもECで買い物をするようになることも考えられる。
とは言え、国内EC市場という観点で考えると、引き続き安定的な成長が見込める。コロナによって、EC未経験者の利用が増えてきたことは間違いない。ただ、石油価格の上昇で物流費の値上げなどが起きるとそれが大きな足かせになる可能性はある」
――相次ぐ商品値上げによる消費環境への影響は。
「今のところ、消費者側が許容しているような印象を受ける。おそらく、あらゆる商品が値上がりしているので、もうこれに対してはしょうがないという向きも持ってしまっているのでは。日々使うような商品が1000円から1500円に上がると高くなったと感じるが、(当社が得意とするような)家具・インテリアは、あまり毎年買うことがない大型商品なので、1年前と価格を比べたりすることは中々ない。買い替え頻度が低いものは値上げによる買い控えの影響を受けにくいと思う」
――今期の優先順位の高い施策は。
「インバウンド需要に関してのものになるだろう。もちろんこれは越境ECも含めて話となる。中国で日本の風邪薬が大量に購入されているというニュースも聞くが、改めて海外消費者にとって日本の商品はニーズが高いと感じる。これは日本メーカーの商品ということだけではなく、例えば、中国の工場で作って日本で売っているという商品についても、試しに中国で売ってみたところ『日本の規格』を採用しているということで非常に人気となった。つまり、日本の商品は『品質管理』が良いというイメージを海外から持たれているのだ」
――越境EC事業の進捗について。
「22年末から中国の小規模な越境ECモールに出店していて、100~200点ほどの商品を試しに販売している。そこでは1カ月間で8%程度の購買率になったので、悪くはないだろう。今までの越境ECでは、中国の大手越境ECモールを使って販売していたが、手数料が高かったこともあり難しい状況だった。そうした理由から、今は大手のモールではなく小規模のモールに出店している」
――越境ECを行う上での注意点や課題について。
「当社も長年越境ECを行ってきたが、中国と日本のマーケットには大きな違いがあると認識している。中国の場合、売れる商品であればどんどん量を出して販売してほしいという考え方だが、日本では売れるとしてもそこまで極端な出し方はしない。例えば、日本のメーカーはヒットしている商品を製造する時に、おそらく前年の110%~120%程度(の増産)という形で翌年の計画生産を考えるが、中国ではとにかく一気に大量に仕入れようとするので、いきなり前年の3倍の量の商品を出してほしいという考え方になる。
当然ながら、モノづくりについて品質管理をしっかり考えた場合に、製造ラインや人材の確保などの問題からそこまでの大規模な量に対応した商品を急に製造することはできない。そうした感覚が大きな違いになっている。今、当社が中国で出店している仮想モールは小規模なので、仮にそこで急激に売れたとしてもそこまでの大きな影響は受けないと思われる」
――越境ECで売れる日本の商材とは。
「海外向けと日本向けの販売で、価格差が大きいものが売れやすいと言える。先ほどの風邪薬の話も、中国では日本で売られている何倍もの価格で売られている。他にも日本酒などが海外では国内以上の高値で取り引きされている。そういったものは、物流費込みで海外向けに高い価格を設定して販売したとしても日本よりもはるかに売れる商材となるのではないか」(おわり)